赤沼ロマンビール、そしてブルワリーへ

「赤沼ロマンビール」春日部に根差した15年間

2004年より私達は、OEMブランドとして「赤沼ロマンビール」を販売してきました。
年に一回か二回の醸造でしたが、好評を頂いていてこれまで続けて来ることが出来ました。

そんな中で、2013年、2017年には春日部ブランドの推奨品(春日部フードセレクション)として認定され、又ふるさと納税返礼品としても取り上げて頂きました。
さらに、2016年9月には伊勢神宮外宮奉納品として献上する栄誉にあずかり、豊受大神様の午前で「正直なものづくり」を誓いました。

町おこしのビールとしてスタート

赤沼ロマンビールは、2004年の春日部市政50周年を期に、先人たちの姿を偲び「将来の子どもたちの為に、住みよい環境と明るい豊かなまちを作ろう」という目的を持って仕込みました。

「赤沼ロマンビール」には、地元春日部で作った古代赤米を使用しています。

その赤米は、地域の小学生たちと一緒に赤米の田植えや稲刈りを行って育てました。
そして収穫後は、学校給食の献立として食べてもらう。
そんな取り組みの中で作った赤米を、町おこしとして、ビールにも使わせてもらいました。

赤米田植え

明治時代には春日部にビール醸造所があった

日本のビール製造は、明治2~3年頃に、アメリカ国籍のノルウェー人、ウィリアム・コープランドが横浜居留地で始めたものが最初とのことです。その後、全国の起業家が各地でビール会社を興し、地ビールは全国に広がっていきました。

埼玉県ではビール会社が3か所ほど出来、その1つがマルコ麦酒醸造所で、春日部市(赤沼村)にありました。
その後、時代の流れの中で醸造所はなくなってしまいました。
しかし、ビールに利用する麦から、特に麦藁帽子などが今に繋がる春日部の特産品となったのです。

赤沼ロマンビールは、その様な昔ながらのビールを想像して無濾過・非加熱で発酵タンクからそのまま瓶詰めする方式をとることにしました。そして原料の赤米も、昔ながらに無農薬・天日干しにして作りました。

こうして、「赤沼ロマン」が誕生したのです。

そしてブルワリー開業へ

こうしてこだわりの地ビールを造ってきましたが、これらはずっと委託醸造という、いわゆるOEMの形式を取っていました。

安定した品質のビールを造って頂けることに、大きな感謝を持っていたのですが、委託醸造という性質上、最低発注量の制約から小規模でやるにはどうしても自由度が小さくなってしまいます。
更には2020年のコロナパンデミックで需要予測が難しくなり、その後の「赤沼ロマンビール」の醸造はストップせざるを得ない状況になりました。

こういった状況から、自由にビールを造りたいという想いが強くなり、醸造所開業を決意しました。
マルコ麦酒からのビールへの思いが繋がったのかもしれないと思うと、とても面白く感じます。

こうして2023年5月5日(金)より販売所をオープンしました。
春日部市の中心からは少し外れていますが、近隣の方は是非立ち寄って頂けると嬉しいです。